【英検のこと①】レッスンを英検につなげる方法

教室開講時、幼児クラスオンリーでスタートしたのですが、その時の生徒さんたちが小学生になり、昨年度からポツポツと英検を受験する方が出てきました。

2020年度は、当時2年生で5級合格3名、4級合格1名(のべ)の方がいらっしゃいます。

てんま英語教室は、基本的に英検に特化したクラスや指導は今のところないのですが、おうちで少し試験の準備をプラスして受験されています。そして、ここのところ、英検に関するご質問も増えてきました。

そこで、レッスンを効果的に使いつつ、英検に合格するためのポイントをまとめます。

英検5級、小学校低学年で受験をしようと思ったら

英検といっても、いくつか英語に関する試験があるため、ここでは、公益財団法人日本英語検定協会が実施する『英検』についてのお話です。

てんま英語教室のカリキュラムは、mpi松香フォニックスのmpiメソッドによるカリキュラムです。英検は、もともと小学校英語がスタートする前の、中学英語をベースにしたレベル分けがされています。

5級・・・中学初級、4級・・・中学中級、3級・・・中学卒業程度

という感じです。実質、中1レベル、中2レベル、中3レベル、というイメージですね。ということは、どうしても文法的な要素でシラバスも組まれていますので、ある程度、文法的な知識を問われることもあります。

当教室のカリキュラムであるmpiメソッドは、幼児から低学年のフォニックス前段階では、とにかく音声のインプット中心に、繰り返し、様々な語彙や文に触れていきます。トップダウン方式、と言いますが、細かいところは気にせずに全体をとらえていく段階です。

レベル3クラスであれば、5級の準備がある程度できているので少し対策を加えるとよいと思います。

レベル2以下(小1・小2)のクラスではまだインプット中心のレッスンですので、文字に敏感なお子様だったり感覚で見てなんとなく内容がわかるお子様なら5級は合格はするかもしれませんが、しっかりリーディングのパートも得点して本当の意味で理解して合格を目指すなら、ある程度の準備が必要です。

英検の『問題を解く』には、肯定文、否定文、疑問文の形を正しく作れることや、英文を読んで意味が分かることが必要になります。その段階に入るには、フォニックスを学び、スピーチなどで文を作る活動が入る中学年・高学年に本格的になりますので、小学校1・2年のうちに英検を目指す場合、プラスで試験の準備をしましょう。

無理に早くに受験する必要はないので、その子のタイミングで、ある程度自信をもって望めるようになってからでよいと思います。まずは、英検の公式サイトに過去問題が公開されていますので、ご興味がある場合は印刷して実際にどのような問題なのか確認してみましょう。その中から、いくつかピックアップして、テストといわずにお子様に見せて、文の内容を理解できそうかを見てみてください。

ある程度、これまでに耳から覚えている会話表現と、英文をリンクさせて内容がなんとなくわかりそうであれば、準備をしていけばよいと思います。

文字、英文については全くピンとこない段階でしたら、もう少し学習が進んで、フォニックスである程度読める言葉が増えてからでよいと思います。

レッスンを英検対策にも活かすためには

英検5級の問題は、筆記とリスニングに分かれています。

筆記問題は、文章のカッコを埋める穴埋め問題、会話文の適切なものを選ぶ問題、和文英訳の並べ替え問題の3種類。

リスニングは、イラストを見ながら音声を聞いて適切な応答を選ぶ問題、会話の音声を聞いて内容の質問の英語に、問題冊子から英文を選ぶ問題、イラストを見て英文にあったものを選ぶ問題の3種類。

つまり、リスニングの中のイラストを見て答える問題以外、基本的に英文を見て意味が分かることが大前提になっています。

では、教室のカリキュラムですとフォニックスで本格的に読み書きを始めるのは、レベル3・4あたり。(新カリキュラムはレベル2・3)

それまでは、アルファベット1つずつの音はインプットしていきますが、『文章を読む』という活動はまだしていません。

ですが、この段階でも読みにつなげるためのレッスンの受け方、テキストの活かし方があります。

それが、指追い読みです。

レッスン中、いろんなテキストで生徒さん達には必ずやってもらいますが、子供たちはなんだかんだ、面倒がって指が動かないことも・・・。そんな時は、その子の前に行って『指さしてね』と日本語でも言っています。(幼児さんは最初はイラスト差しから、少しずつ文字もさしてもらっています)

日本語でも、ひらがなを普段の生活で絵本や身の回りにあふれるものを見ているうちに、なんとなく形を覚えていって読めるようになりますよね(個人差はあります)

英語の場合、文字はアルファベットだけなのですが、読み方はローマ字読みと違って多種多様。それが読み書きの難しさにつながっている言語です。

フォニックスという指導法で学ぶ読みは、日本語のひらがなにあたるもので、これである程度は読めるものの、ルールに当てはまらない単語もたくさんあります。

その中で、普段、よく出てきてそのまま覚えるべきな単語を、サイトワード(sight words)といいます。目から覚える、見て一瞬でわかる単語、というようなイメージです。これは、日本語では漢字の単語のようなものかもしれません。それ自体の読みとスペルを覚えてしまうしかありません。

サイトワードは、重要な単語リストやカードで学ぶこともできますが、テキストで何度も歌う歌の中にもたくさん登場します。それらを、歌いながら目で追い、指で追うという作業を繰り返すうちに、よく見る単語はわかるようになります。

家でCDを聞くときに、必ずテキストの文章を指差ししながら聞くことをするだけでも、英文を読む力につながっていきます。言語を覚えるのに、視覚、聴覚、触覚などの多感覚を使う学習が効果的であるといわれます。歌いながら指を使って文字を追うというのは、指の感覚、視覚、聴覚を刺激しながらインプットしていくことにつながります。

例えば、色の名前。

red, yellow, blue・・・ 

このあたりの言葉は、幼児さんのテキストから頻繁に出てきます。アルファベットの音が何となくわかるようになれば、文字の並びや最初の文字などで何となく読めたりわかったりしてきます。

おなじく、文章にはたくさん出てくるtheやaなどの冠詞、I, you, it, などの代名詞、under, up, in, onなどの前置詞など、パッとみてわかる言葉を増やしていくことが、英文の読みには不可欠です。

低学年で英検を検討されている方は、ぜひ、おうちでの練習のときに指追い読みをしてみてください。

ただ、これだけではやはり、『英検の問題に答える』ということにはなかなかつながらない部分があるのですが、長くなりましたので第2弾をお送りしようと思います。

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